僕がいつも考えているのは、世間一般的に考えると大したことではない。
 周囲の人はその話をするといつも言う。「そんなこと考えてるなら、別の事でもやってる方がマシだ」と。

 自分でもそう思う。確かに自分がオカシイんじゃないかと疑ってみたりもする。だけど、これは自分でもどうしようもないことなんだと思う。きっと、心の奥底から沸々と沸いてくるものなんだよ。だから仕方ないんだ。気にしないで欲しい。



午後2時の群青



 こんなうだるような午後2時。わざわざ外出する人は間違いなく、いない。
 僕は別。太陽が元気に活動してようが関係ない。僕にとっては「家」の方が地獄なのだから。

 暑さから逃れるために、僕は喫茶店に入る。
 路地裏にあるひっそりとしたこの喫茶店は、「知る人ぞ知る」という店で、僕はそこの常連でもある。マスターも滅多に話しかけないので、ゆったりとした(この表現は間違いかもしれない)時間を過ごすことが出来る。
「午後2時の群青」
 これが喫茶店の名前。僕は結構気に入っていたり。そして午後2時にやってくる僕も相当のモノズキに違いない。この時期、時間はほとんど人がいない。とても楽。

 ここへ来たのには理由がないわけではない。
 かと言って、ここでするまでもない様な事でもあるんだが。

 僕は本を読みながら待つ。何時間でもいすわってやろう。と思うのはいつものことで、マスターもあまり気にはしてないようだ。本は何度も読み返したものだったので、あっという間に後半へ。もう時間の感覚はあまりなかった。本来の目的も忘れて引き込まれていた。何時間たったんだろう。

 と、
 ズボンのポケットから振動が来た。
「やっとかよ。どれだけ待たせるつもりだったんだ」

 待っていたのは、親友からのメールだった。