コスモナウト





 果てしないこの世界の端っこまで行けたとしたら、人はどんな気持ちになるんだろう。
 宇宙じゃなくてもいい。なにか、自分のまわりにある世界の限界を感じたら、どういう風に思うのだろうか。
 僕が雑誌をめくる手を止めて開いたページへと思いを馳せる。いや、そんなことをしなくても、何気ない日常の中でふとした時に漠然とした気持ちが浮上してきたりするのだ。すると、僕の心はどこか知らないところへと飛ばされて、僕は自分の無力さとか小ささとか世界の茫漠とした広さとか、そういったものを突きつけられるのだ。

 手の届かない境界線
 僕らが知ることのない空間


 無力な自分に悲しくなるし、反対に永久にでも続くであろう世界に憧れをも抱く。
 そして思うのだ。
「いつか、そこへ行くんだ」と。



 僕は今日も雑誌をめくり、世界を掴もうと我武者羅にかける。
 そこに何が存在するのかを僕が知ることはない。





080108