言葉にならないコトバを紡ごうと必死だった

(070515)


まだ朝日も昇る前に走りに行った。
春だというのに、空気はとても冷え切っていて、冬に戻ったような感じがした。

まわりに灯りはまだ点いていない。

自分の呼吸音と鼓動の音しか聞こえなかった。
やっと自分はこの世界にいるんだと感じた

(070514)


他愛のない言葉で心が軽くなっていくようだった。
文字を打つ指もいつもより軽かった。

いつもは待ってるのが辛いあなたからの返事を心待ちにしてる私がいた。
自然と頬が緩んでいった。寝るのがもったいないくらい。

こんな風にいつも笑いあえたらいいのにね。

その言葉は携帯には表れずに、
ずっと体の奥底にしまっておいた。

(070507)


置いてかれてしまう  そう思った。

わたしは空を見上げることしかできずに
地に足を囚われて


あなたは軽々と わたしの上を飛び越えていってしまう

(070407)


何も言い返せなかった。
言おうとしたことも出てこなかった。

悔しくはなかった。

ただ寂しかった


対等な関係でいられなかったことが寂しかった。

(070327)


空を漂う雲は遠く彼方から僕らを見ている。いつも見つめて微笑んでいてくれた。
どうしようもなく立ち尽くしている僕らには、それが唯一の救いだった。

手を伸ばせば届きそうなほど近くにあるような日。僕らは何も出来ずに水があふれるのを止められずに立っていた。
中にいると何も分からなかったけれど、外に出れば空が、あの雲が、見ていてくれるような気がしたんだ。ああ、ここにあったんだと、とても嬉しかった。泣くことしか出来なかった僕には、白く輝くあれらがとても綺麗に映っていた。そして、なによりあの雲さえあれば何とかなるんじゃないかと思えるほど澄んでいて、美しかった。
僕は手を伸ばす。
きっと空が手をつかんでくれると信じて。

何も変わらなかった

当たり前のことだった。空は何もしてくれなかった。
ただやさしく僕らを見つめて微笑んでいるだけで、手をつかんでくれなかった。


唯一の救いを失った僕らは、また立ち尽くす。

あの蒼く高く綺麗な空を、僕はどうしても好きにはなれなかった。

(070322)


いつか、誰かのためと言って自ら水の中へ飛び込んでいってしまうだろう。
そのときには何も考えずに飛び込んでしまうだろう。
君の顔すら浮かばないようだったら、僕はとても悲しい。けれど、声も姿も雰囲気すらも覚えていないのなら、やっぱりそこに残るべきじゃないだろう、と思う。
何を覚えているのだろうかは分からないから、今この気持ちのあるうちに伝えてしまうのが一番いい方法なのかもしれないと思った。こうして筆をとってみて考えることにする。
でも、君に何を伝えていいのか分からなかった。

君に言おうとしていたのはなんだったんだろうか

それすら思い出せない僕は、やはり君の元にいるべきではないのかもしれない

(070320)


桜の舞う3月の下旬。
僕は明日、この町を出て行く。

新たな何かを探すため、今までのものを忘れるため。
理由はまだはっきりと決まっていない。それでも、僕は出て行こうと決めた。

誰にも行く先は教えない。
僕が戻りたくなってしまわぬように、振り返ってしまわぬように。

さあ、花びらが舞っていても気にしないよ。
まずは駅へ向かおう。


あの日の写真を一枚、そっとポケットにしまって、
僕は電車に乗り込んだ