手を握るってどんな感じ?
手を繋ぐってどんな感じ?

体温を分けてもらうことに怯えてる自分が、そんなことをできるのだろうか?

(070824)


鼻につんとくる臭い
花火は人の顔を照らしながら燃えていく

すぐに消えてしまうのに
なんで、みんなはやろうとするんだろう

(070820)


ひっそりとした書架の中
日がわずかに射し込んでいた

本と本のわずかな隙間に紛れこんで
君はずっと本を読んでいた

声に情景を浮かべて
目は本の向こう側を見つめて

 (見たこともない空の青)

僕はそれを見て空に思いを馳せる
視界は少し歪んだ

厳かな声色に慈しみが混じり
涙を流す君の横顔

まるでそれが別の世界の事のように
僕は見ていた

(070807)


この言葉を誰に届けていいか分からなくて、ずっと環のなかを歩き続けていた。
思い出の中にいる人は一人しかいなかった。

でも、それが誰なのかを、僕は知らない。

(070728)


手紙も書くよ
撮った写真も入れる、作った歌も添える

落ち着いたら
きっと・・・絶対、書くから

だから

そんな顔をしないで

(070718)


手を広げて風を受ける。
シャツは大きくなびいて、風がそこにあるんだということを知った。
まるで初めて風を見たかのように驚いた。

あなたは、すぐにわたしの横から前へ走り抜けて、一心に風を受け止めていた。
シャツをはためかせて、目をつむっている君の姿が、風と一緒に消えてしまうようだった。

それはとても綺麗だった

わたしはそこから一歩も動けずに、ずっとそれを見ていた。

早く行こう、って呼んでいる声に気づいて、わかった、とだけ答えて駆け出した

(070709)


誰宛かもわからない手紙を書くようになった。
夢は水溜まりの上に垂れるひとしずくの水滴のように、わたしを掻き乱して静かに去っていく。

夢の事を伝えようとしてたのか、何を伝えようとしてたのかもも分からなくなって、結局書き途中で床に放り投げた。
宛名の無い紙は何も言わずに床に落ちてった。


伝えようとしてたのは確かなのに

どうして書けないんだろう

(070622)